2022.07.21

蚊(か)とり線香(せんこう)とは?

今、蚊をよせつけないようにする商品は、たくさんあります。煙のでる蚊取り線香ではなく、煙のでない虫よけの商品を家庭で使っている人も多いと思います。

 蚊取り線香の歴史や成分について見ていき、蚊取り線香について知っていきましょう。

■蚊取り線香の歴史

 蚊に刺されないようにするために、人類と蚊との歴史は長いです。古くは、紀元前のエジプトでも蚊をよせつけないようにするために、蚊帳を用いていたという記録があります。

 蚊帳は、奈良時代に日本にもはいってきましたが、一般の人がよく使うようになるのは、江戸時代になってからでした。それまでは、よもぎの葉やカヤの木、みかんの皮などをいぶして、けむりをたくさんだして、蚊を排除する方法がとられていました。

 蚊遣り火はとてもけむたくて、蚊にさされないようにするために、けむたいのをがまんしなければならないものでした。

 明治初めになると、シロバナムシヨケギク(除虫菊)の植物が日本に伝わり、和歌山県で栽培されて広まりました。はじめは、粉末で使われていましたが、棒状の線香になり、さらに明治30年代には、おなじみの渦巻き状の蚊取り線香が開発されて、長時間燃焼できる工夫がされました。

 蚊帳は、寝室に用意することで、物理的に蚊や害虫をシャットアウトすることができます。蚊遣り火に比べて、煙たくなく過ごすことができそうですね。

 蚊取り線香は、熱によって、殺虫効果のある成分「ピレトリン」が空気中にただよいます。
 そして、近くにいる蚊を殺虫したり、蚊を追い払う効果があります。蚊遣り火に比べて、煙の量も少なく、効果がありました。

■ピレトリンの研究の進展

 戦中・戦後は、食りょう難もあり、除虫菊の栽培が姿をけしてしまいました。戦後、さまざまな化学物質が国内で使われるようになり、感染症などを媒介する虫の退治に効果をあげました。

 その頃、除虫菊の研究が進み、除虫菊の有効成分であるピレストリンの研究により、昭和20年代後半から、ピレスロイドが作り出されるようになりました。

 つまり、除虫菊から成分をとらなくても、ピレスロイドを作ることができるようになるのです。

 現代では、昔ながらの蚊取り線香をつかったり、煙がでなくても蚊をやっつける効果のあるものなどが増えています。生活にあったものを選べるとよいですね。

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