2022.07.21
蚊(か)の脅威(きょうい)を知ろう
日本では、夏になると蚊が飛び始めるのを目にします。日本には春夏秋冬がありますが、海外の1年を通して熱さが続く、熱帯、亜熱帯地域では、蚊が1年中飛んでいます。
そんな蚊が、ウイルスなどの感染症を引き起こす病原体を持っていて、人にさしてしまうとどうなるでしょうか。さされた人は、感染してしまう恐れがあります。
■蚊媒介感染症
日本脳炎のワクチンを聞いたことがあるでしょうか?日本では、日本脳炎ウイルスを蚊をかいして感染してしまいます。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気でした。
▶︎「日本脳炎とは」/ 国立感染症研究所
日本脳炎ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、20〜40%の人がなくなってしまうと言われています。生存者の45〜70%も後遺症が残ってしまうといわれています。
日本脳炎は、ワクチンがあるため、ワクチン接種により、日本脳炎になるリスクを75〜95%減らすことができると報告されています。
▶︎「日本脳炎」/ 厚生労働省
日本では、日本脳炎以外の蚊媒介感染症は、海外に旅行した人が日本に持ち込む「輸入感染症」としてみられていますが、デング熱は2014年に国内の感染例が報告されています。
▶︎「蚊媒介感染症」/ 厚生労働省
治療法は、マラリアには、抗マラリア薬を使った治療。ウエストナイル熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、デング熱、日本脳炎は、病気によって起きている、痛み・発熱・せきなどの症状を和らげたりする「対症療法」が中心です。
感染してから治療をするよりも、蚊に刺されないための対策を行うことが重要なのです。
ウイルスを持っていない蚊でも、蚊が血をすう時に、人の肌に「唾液腺物質」を注入します。私たちの体は、蚊の唾液を異物として防御反応(アレルギー反応)を起こして、赤みやかゆみを発生させます。刺された部分は、かかないようにしなければなりませんが、かいてしまうと新たな刺激となって炎症が広がって、さらにかゆくなったり、そこから細菌が侵入して膿んだり(化膿)、皮膚が黒ずんだり(色素沈着)することもあります。
このことからも、蚊にさされない対策を行うことは重要ですね。
■分類
私たちの身近なところには、病気を運ぶ虫「衛生害虫」やいるだけでイヤな気持ちにさせられる虫「不快害虫」がいます。
蚊は、アカイエカ、チカイエカ、オオクロヤブカ、ハマダラカなどの仲間がいます。
蚊は、水辺の植物や水面にタマゴを産みます。蚊の幼虫(ボウフラ)は、水中で脱皮を繰り返して、さなぎになって、3日ほどで成虫になります。寿命は、1〜2ヶ月と短いです。
タマゴを産むメスだけが、栄養をとるために、血をすうといわれています。
このように、蚊はさされたりしないように注意をする必要があります。
しっかりと、蚊にさされない対策をしましょう。